2015年4月29日

between chaos and creation 東京の裏庭で - Paul McCartney







ポール・マッカートニー。
昨年の国立競技場、惜しみつつの、この日のリベンジ。


ホントは、東京ドームに聴きに行くのはちょっと・・・
あのボワボワした反響音と、コンプかかったような音の鳴りが苦手。
やっぱ野外でスカッと、夕空を眺めながら、聴きたかったなあ・・・。
武道館は手が出ないので(キッパリ)、
ドーム最終日、遂に人生初ポール。

チャリを、水道橋脇の高架下に置き、
いざ会場へ。
交差点の向こうに、アドトラック。





開演前。
ポールとの距離、これくらい(遠いな・・・)。


ま、距離は置いておこう・・・。



ど頭からガーンとくる"Magical Mystery Tour"。

ロックンロールショウの、始まり。
出て来た瞬間、背中がゾクゾク。
この場にいる5万人、
それぞれの人生の傍らに、
彼の音楽は確実に、寄り添ってきたんだよなあ。
その想い。
自分も、感情持て余し気味の中学生のころ、
Fab4の音楽に出会って、
節目節目に、熱に浮かされたように聴きたくなっては、
永遠にそれの繰り返し。

Beatlesとソロ、創造の大きなかたまり。
ジョンは、ミニマリストな側面が、
フルクサスなんかとも、親和性があって、
どんどん削ぎ落とされていく凄みが、あったけど、
ポールは、そういったことからも結局は自由で、
どこかの時点で、現代芸術的なものすら越えていっちゃった。
それはたぶん、アンディ・ウォーホルでも出来なかったことだと思う。

音楽の天才ってポール以外、考えられないな。
例えば、アレサ・フランクリンとかチャーリー・パーカーとか、
確かに天才としか言いようが無いんだけど、
ポール・マッカートニーの、この全方位的な感じは何?
サッチモとかキャロル・キングとか、近い才人はいるけど、
ポールほどやり尽くしてる人、他に知らない。

最高のエンターテイナーで、
人を喜ばすのが好きな、やんちゃなリバプールの青年で、
ビートルズ4人の中で、一番ブラックミュージック寄りでファンキー、
神懸かり的なメロディメーカー。
彼については、一晩中話しても話し足りない、ボクだけじゃなくそんな人沢山いるはず。
混沌と創造の狭間を自在に行き来する、自由な魂。

ライブ頭、多少喉が不安定な感じがしたけど、
どんどん、声に張りが出てくる。
曲によって、ジョンやジョージのパートを歌うのが、
ちょっとした感動で、
"Being for the Benefit of Mr. Kite!"
元は幽玄チックな、ジョンの表現が効いていたものの、
ポールが歌うとまた印象が変わる。
"Something"
彼がソングライティングに関わっていないと思われる、この夜唯一の曲。
個人的にこのアレンジと演奏は、特にカッコ良かった。
ウクレレで始まって、ギタリストがジョージばりにソロ。
「美しい曲をありがとう、ジョージ」の言葉に、思わず頷いてしまった!
そしてこの夜、一番背中がザワついたのが、
"Let It Be"
ほんと、我ながらベタ過ぎるんだけど、
この曲の作曲者が、目の前で歌っているのか〜!としみじみしんみり。
ドーム全体に語りかけるように鳴り響いて、不覚にも・・・(泣いてません)。
2回のアンコール、ポールも観客のボクらもノリノリで、
"I Saw Her Standing There"
オリジナルの、タイトな演奏を思い起こすシャウト、
ひたすら最高、サイコオー(ポールの日本語MC調)。

その他、印象的だったのが、
Can't Buy Me Love
My Valentine
Maybe I'm Amazed
Blackbird
Here Today
New
Lady Madonna
Ob-La-Di, Ob-La-Da
Hey Jude
・・・って、書いてて、
改めて凄いラインナップだな・・・。
全37曲中、初めて聴いたのは新曲の1曲だけで、
これ多分、さして音楽に興味が無い人でも、
1/3位は知ってるんじゃないかな、という位の、
名曲・有名曲のオンパレード。
一人のアーティストのコンサートとは、思えない様相に、
ひたすら、圧倒されました。



終演。
最後まで、ポールは遠かったけれど・・・(S席)。




すっかり人通りの無くなった、外堀通り。
チャリ漕ぐ足も、気持ち良く、
鼻歌まじりの家路。







私的フェイバリットアルバム3選。


RAM (1971)

Flaming Pie (1997)

Chaos & Creation in the Backyard (2005)