2018年9月3日

works 103


 osse、経堂、東京で


 私家版「osse、経堂、東京で」 写真+装丁デザイン



街の風情を、違った角度から眺めてみる。
長らく住み込んだ世田谷。
見知らぬ路地に迷い込み、フッと馴染みの街道に突き当たると、
またひとつ、新しい顔を知る。

ちょっと離れた経堂。
今も、ふらりチャリ駆け行くことがある。
やっぱり、住んでいたときとは、街の表情が違って見える。
行き交う人も、違って見える。

そのむかし、
赤堤通りにあった、行きつけの定食屋さんが店を畳み、
しばらくの、夜飯難民。
ふと、通りかかったお店の様子が気になり、
夜半の本町通り、その白い引き戸を引いてみた。
と、「ああもうお終いなんですよ〜、ごめんなさい!」の声。
おぉ、残念。一足遅かったか。
申し訳なさそうに、店主さん。
「是非また、いらしてください!」
そのときの屈託無い、構えない笑顔が、なんだか妙に嬉しく、
今度はキチンと早めに来よう、と誓った。

それから幾たびか。
毎度頂く、「今日のごはん」。
丁寧な仕事。
まさか外食で、まごころを感じるなんて…!
食後にいつもの、コーヒー。
ハンドドリップのいい香りを待ちながら、
ひとことふたこと、店主姉妹と交わす会話が、
ささやかな、安らぎになった。

そんなマゴコロ食堂、osseが経堂の店を閉じると知ったのは、
奇しくも、伊勢詣帰りの折。
伊勢人のオクヤマさん姉妹に、たっぷり土産話が出来たと、
久しぶりに向かおうとした、その足で知ることになる。

経堂で灯った明かりは、
東京の屋根の下に住む、一人ひとりの止まり木になり、
街の風情を抱え込みながら、
今度は伊勢で、新しいストーリーを紡いで行く。


 shokudo and cafe osse
 三重県伊勢市一志町3-6
 0596-68-9149

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