季刊「住む。」75号・2020年秋
季刊「住む。」75号・2020年秋
「住む。」誌、2件を撮影。
大和の国、奈良斑鳩の里。
「旅木」
農と陶と手打ちそばを謳う、小体な宇宙。
法隆寺の脇に構える、ひそやかな風は何処から来るのだろう。
古の獣道は、踏み固められ車馬行くところとなり、
消えかけた灯火は、レフレックスの返しの向こうに、ハッキリと像を結ぶ。
店主松島夫妻と建築家一見さん。
ていねいに織り交わる場のありようが、やけに気持ちいい。
これまでに、氏の建築を3つ撮らせてもらう機会を得、
3つ目にして、その作家の仕舞い、視線と間合いについて、
階調がシンクロしてゆく差し向かいを、捉えることができた。
施主と建築家のジャムに、
ギター抱えて、スルっと入り込んだ感じ。
ベビーフェイスウィレットのアルバム(気分)。
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丹波篠山。
伺った日、湿気のない爽やかな陽気の幸運に、畑の蒼も相まって、
どこか、物語の中に入り込んだようなロケーション。
家族の営みと四季をゆったり捉えたら、
容易く小編を編めそうな、距離と広がりが前玉に映る。
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体と心を良い状態にして、そこに立てるかどうか。
殆ど、それに尽きる。
小粋でイナせ。